Story of Tax Examination 税務調査物語 在庫編

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税務署の本格調査シーズン到来?

vol.1

 税務署の事務年度は7月10日に人事移動を終わり新年度がスタートします。8月はお盆休み等で稼働日数が少ないため、実質的には9月より調査が本格化します。税務署は内部事務担当と調査担当と大きく分かれますが、調査担当は1年一人約50件くらいの調査をしているようです。20人調査担当がいると年間1,000社、5年間で5,000社の調査能力があることになります。黒字法人が中心とならざるをえないので、現在の体制でカバーできてしまうのです。本格的なシーズンというより彼らの日常業務なのですね。

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税務署の勘どころ

vol.2

 税務署の調査のきっかけはどんなところでしょうか。それは、昨年と比べて決算書の勘定科目の金額が、増加しているもの又は減少しているものに対し、「なぜこうなるのだろう?」「変化の理由を聞いてみよう」という事で調査になります。調査専門の人は直接納税者の人と接触する接触率を高めるようにと上司に指示をされています。言い換えれば、彼らは、「どんどん調査に行くようにしなさい。」と指導監督されているのが今の現状なのです。

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税務調査は脱税調査なのか?

vol.3

 「うちは税務署が来ても安心だ。なぜって、売上をごまかすことはしてないよ。」ほとんどの人はそう考えてます。国税局に査察部門があり、その査察調査官のように毎日ごまかす人を追いかけている人もいます。しかし、通常、税務署の人が行う税務調査は、脱税調査ではなく「見解の違い」を捜す調査です。新聞で報道される大企業の申告もれはほとんどこれです。実は大企業だけでなく広く日本国中で行われる中小企業、個人事業さらには相続税の税務調査はこの「見解の違い」調査なのです。

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税務調査の主流

vol.4

 税務調査はすべてが脱税強制調査ではありません。税務署は必ずしも怖いものではないです。主流は任意調査で申告内容の確認です。「本当にその内容なのだろうか」と疑ってきますのでもちろん断れますが、断ることは疑心暗鬼を招くだけなのでほぼ100%調査を受入れています。調査期間は個人事業は1日、法人は2日間、規模が大きい法人で3日間。朝9時半から夕方4時半くらいまでずっと調査しています。調査官はコピー機を持参し、納税者のあいまいな答弁よりも証拠書類を求め、自分の目で疑問を確認していきます。ここまで調査したうえで「よくできています。今後もこのようにお願いします。」と是認される場合も多いのです。それが彼らの日常業務なのです。しかし、性善説という言葉は彼らにはありえないのでしょうね。

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決算日をはさんでの攻防?

vol.5

 決算末日はとても重要です。そこですべてを区切ります。良いも悪いも区切ります。そのために、この日の在庫を調べます。売れていないものは必ずどこかに在り、販売済み在庫は既にそこにはないことになります。販売済みでそこにないものは損として計上となります。しかし、売れていないはずなのに現物がそこにないということは、売上済みの処理をして損に落とすことになるので税金が減ることになってしまいます。無過失や故意にかかわらず、これを調査官は税金逃れとして見逃さないのです。「在庫漏れの発見」これが調査官の最大の視点です。

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