「申告もれ」と指摘をうける内容のNO.1
vol.1
税務署の調査官が最も着目するポイントは、今年の申告は今年の申告、来年の申告は来年であることです。妙な言い方ですね。何気ないようですが、この厳密な区分の調査に最大の力点(彼らの全精力)を置いているのです。
年度最後の日個人は12月31日(この日はお休みが多いので営業最終日)、法人であれば決算最終日、この日までの売上が確実に申告されているか、このたった一日に間違いはないか、来年に廻されていないか徹底的に調べます。この日の前に納品してもらった在庫、この日の前に検査してもらった外注検査料などからこの決算日を前後した売上の確認をするのです。決算日をはさんだ攻防戦、これが税務調査の現実です。
丸一日かけて売上漏れをさがしているの!
vol.2
税務調査の主流は決算日をはさんだ「攻防戦」でした。売上が決算日以後に記入されていても、決算日前に既に出荷している場合のように、売上日と仕入日が決算日をはさんでズレているものを探します。そこには何らかの事情があるのでしょうが他人から見ると不思議に見えるものを探します。経理の担当者が保管する納品書を探し、営業の担当者が保管する日報を探し、あらゆる会社保管の資料を要求し、「攻防戦」をやるのです。私から見ると「決算崩しの攻防戦」調査官からは「売上漏れ探しの攻防戦」です。会社の社長さんから見ると、「経理に担当者は、売上にちゃんとあげてるんだから、当期であろうとどっちだっていいじゃないか」でしょう。ところがこれこそが税務調査の真骨頂なのです。1社1日かけるのは年間40社の調査で40日、年間40日も会社の細かい資料をみているのですから彼らは「納品書の裏読みのプロ」なのでした。納品書読みにかけた「申告漏れ」探しに職業生命をかけているのです。
印紙でやられた!
vol.3
法人の税務調査は法人税と消費税だけ、個人の税務調査は所得税と消費税だけとは限りません。調査官が見たがるのは各種契約書。最近の調査は必ず、契約書を見せてくださいといいますよ。契約書に印紙が貼ってあるかどうかの確認です。古い契約書も振り返って確認ください。契約を交わすとき「自社分は後で貼っておけばいいや」とそれっきり忘れてしまっているものがありませんか? または判取帳にして支払先に書いてもらって自社で保管しているもの、年4千円の印紙ですよ、忘れないでください。
民主党政権で社保庁と国税庁が統合されたら、税務調査で社会保険の調査もするのでしょうか。可能性が大かもしれませんね。
過去の3年分や5年分も調査するの?
vol.4
一般的に税務調査は法人で2日です。決算日をはさんで、決算日まで仕入れた商品のうち決算日までに販売していない商品を探し在庫表にそれがあるかの確認します。さらに、決算日の翌日から何日かの売上を探しその商品が決算日前に仕入れたものであれば在庫表に記入されているを確認をします。調査2日目にはこの会社の決算日の動きについては経営者や在庫係より相当詳しくなっています。
通常は3年間又は5年間の調査をしますが、売上漏れや在庫漏れを調べるのは、すべて最後の決算日のたった1日を調べることで全体を判断していくのです。だから、この一日の調査に丸一日かけるのです。(売上を隠匿していた場合は別です)もし、3年間5年間の売上漏れをすべて細かく徹底的に調べるなら1カ月毎日調査しても足りるはずありません。そんな調査は通常調査ではないのです。2日間でできる調査をやってきます。残りのもう一日で総勘定元帳の3年分または5年分をさかのぼって経費の確認をしていきます。
彼らの手法は2日間は十分時間がかかってしまうやり方なのです。
領収書のしくじりは破り捨ててはいけません!
vol.5
現在お使いの領収書を横から見てみてください。隙間がスカスカになっていませんか。複写ですからご自分で記入するほうが規則正しく残っているはずです。失敗したものは斜線を書きそのまま残していますか。全部破り捨てていませんか。横からみての隙間があると、調査官は「どうしてこんなに切り取っているのですか?」納税者は「間違えたから捨てました。」すると調査官は「本当に間違えたんですか、故意に破り捨てたのではないですか」と疑心暗鬼の口調に変わります。売上のごまかした小細工ではないかと、個人通帳まで調べられることが多いです。そこまでやって調査官は疑念を晴らすのです。よけいな勘ぐりですよね。
領収書、納品書その他日常使っているものはすべて見ていきますので、書き損じは絶対破り捨てないでください。調査官は、破り捨てるのは所得を隠す人の常とう手段とおしえこまれているのですから。